M-1グランプリ2020 決勝観覧に行って来ました
2020.12.20 M-1グランプリ決勝当日
敗者復活戦の始まりを横目に六本木ヒルズを通り抜け、テレ朝集合場所へ。
胸が高鳴る。芸人さんにとってはもちろんのこと、ファンにとってもM-1決勝は夢舞台。決勝を会場で見られるなんて、きっと一生一回の幸運。
今年はコロナの影響で一般観覧者も全員ピン参加。集合場所で仲良くなった方々と開演までの時間を過ごす。
敗者復活の音漏れを聞いたり、カフェでこれから始まる一大イベントの予想を語り合ったり。
ニューヨーク屋敷さんの入りを見かけたり。
外から聞いていても敗者復活のコウテイとインディアンスが爆発していたのはよく分かった。
18:00、スタジオ入り。
遂に、きらびやかなセットが目の前に。今日この場所で人生を一変させる芸人さんが誕生する-そう思うと興奮が止まらなかった。
スタジオに入った途端、携帯電話は圏外に。ここからは隔離された空間ということ。
この日この場所は、一番面白い人を決めるためだけに用意された空間。
前々説、イシバシハザマ。
M-1お馴染みの前説メンバー。緊張した観客席を大いに沸かせてほぐしてくれた。さすがレジェンド前説メンバー。
途中、合間合間でVが流れる。
ミルクボーイの今年のVは、デビュー時から見てきた私にとってはこらえ切れないものでした。baseよしもとに初めて受かった時の衣装、頭角を表し出した時期に着ていた衣装-この衣装の時に、当時baseファンの間で流行っていたオリジナルキューピー人形を作ってミルクボーイにプレゼントしたんだよなぁ。
歴史を思い出して涙がうるっと溢れてきたところに、前説陣がまた現れて笑わせてくれた。さすがレジェンド前説、有り難い。
18:30、いよいよM-1グランプリ2020開幕!
普段テレビでよく見る豪華な司会、審査員の方々に観覧客の興奮がMAXに。
松本人志を生で見られたことは、お笑い好きとしてはたまらなかった。
上戸彩さんはあまりの綺麗さに圧倒された。小顔、手脚の細さ-1人だけオーラが飛び抜けていた。女優さんってすごい。
ミルクボーイもスタジオに到着。
席は遠かったけど、気付いてくれてCM中に挨拶することができて嬉しかった。
1組目、インディアンス。
まさかの敗者復活組トップバッターで、途端に会場もざわざわ。
今田さんもさすがの繋ぎだったけれど若干焦っている様子。
スタッフさんもバタバタしているのを真横で見て、あぁ笑御籤ってガチだったんだなーとその時ようやく信じました。
そういったドタバタがあったからか、漫才中はなんとなく会場全体がふわふわしていたような。トップバッターの宿命でもあるのですが、まだ観客が漫才に全集中し切れていないというか。
私だけかな、全体の流れがいまいちスッと入ってこなかったような・・・けれど、1つ1つのボケで大いに笑わせてもらったし、会場もよくウケていました。
これがインディアンスの強いところ。ふわふわした状態でも笑える勢いと巻き込む力。まさに最強のトップバッター。
実は座席が前列の方でネタ中の様子がよく見えたのですが、敗者復活会場から走ってきたのであろう2人の汗と笑顔がキラキラセットに輝いていて、とても素敵でした。
最終的な順位は妥当なところでしたが、点数はあと5点ぐらい高くても良かったかなと個人的には思いました。
2組目、東京ホテイソン。
前回の記事で優勝候補にしていたぐらい期待していたコンビだったので、正直出順は早いな~・・という気持ちでした。
ネタはいつも通り面白かったですしテレビで見ると充分ウケているように見えたのですが・・・会場にいた身としては、ほんの少しだけですがボタンの掛け違いが起きていたというか、、こんなもんじゃないと。いつもの爆発力に欠けるように感じました。
準決勝の時は自然に大爆笑させられたのが、決勝では自分も含め観客が前のめりで笑いに行き過ぎていたように思いました。期待もされていたし、お笑いファンなら東京ホテイソンのことはよく知っているので笑いに行こうと。
大いに笑って盛り上げることは、テレビショーとして決して悪いことではないのですが、その若干かけ違ったものの違和感がウケと審査点数との間に乖離を生んでしまった原因なのかな。
ウケのみに左右されず、その違和感を瞬時に察して点数に反映させる審査員の方々はさすがだなと改めて実感しました。会場にいると、テレビで見ている時以上に漫才終わりから審査の時間までは短く感じるので、一瞬一瞬で判断しなければならない審査員はやはり一線級の方々だなぁと。
今回の謎解きネタは、確かに東京ホテイソンお披露目としては難し過ぎたのかもしれません。まだまだ若いコンビですし、来年以降に期待したいですね。
3組目、ニューヨーク。
ここで最初の爆発が起きました。客席から自然に起こる笑いの波と拍手。面白かった。
ただ私の席からは演者の顔がピンマイク斜め下から見える位置だったのですが、嶋佐さんが緊張しているのが見るからに伝わってきてハラハラしました。
最初いくつか危ない箇所もありましたが、すぐに持ち直してあれだけの爆笑を生んだのはさすがだなぁと。
順番がもう少し後ろだったら最終3組に入れていてもおかしくなかったと思います。松本さんもよく笑っているのが見えました。
4組目、見取り図。
ニューヨークからの良い流れを汲んでこちらも爆発。
準決勝から追加された自民党の下りがすごく面白かった!正直準決勝ではイマイチしっくり来ないように感じたので、決勝に向けてブラッシュアップされてるなぁと感動しました。
ただ先程の嶋佐さんと違ってリリーさんは全く緊張している様子が見えなかったので、「ごぼう前」なんて思いっきり噛んだのは本当にびっくりしました。
点数も納得の結果でしたが、ニューヨークと6点も差が開くとは・・やはり先程のニューヨークは少し点が低かったんじゃないかな。
順番の妙もあったのでしょうが、これもM-1。運も実力の一つです。
5組目、おいでやすこが。
来ましたM-1史上初の決勝進出を決めた大注目ユニットコンビ。会場も待ってましたとばかりに大きな歓声が上がりました。
出番前VでR-1芸歴制限の件が流れたときは会場内が更にざわざわ。拍手も一際大きかったように思います。会場全体がこの得体のしれないコンビに対するワクワク感で溢れていました。
ツカミが意外と爆発しなかったなと思ったのも束の間、すぐにおいこがワールドに惹き付けられていきました。会場全体のボルテージがどんどん上がっていくのを感じました。めちゃくちゃ面白かった!チラッと見えた審査員も皆さん大笑いされていました。
2人とも緊張している様子は微塵も見られず、これがピン芸人の底力だなぁと。
おいでやすこがは2019年のM-1予選動画の時から気になっていたので、大舞台での小田さんのツッコミがこんなにも映えることに感慨深い気持ちでした。
6組目、マヂカルラブリー。
一番応援していたコンビ。大爆発したおいでやすこがさんの次は避けたかったので笑御籤が引かれた時は、ここかぁー・・と。
けど結果的にはこの順番はとても良いものでした。おいでやすこがさんで温められた中、出番前紹介Vで2017年えみちゃんの因縁が流れると会場爆笑で一気にマヂカルラブリーの空気に。Vを見たえみちゃんはえ、私?私?と本当に覚えておられない様子で、隣の松本さんやスタッフに教えてもらっていました。
せり上がりの土下座からのツカミ「どうしても笑わせたい人がいる男で~す」が大爆発。M-1最速のツカミじゃないでしょうか。
てっきりつり革ネタをされると思っていたので「高級フレンチに、行くことになったよ~」でびっくりしましたが、丁寧な丁寧な振りからの一発目のボケが更なる大大爆発を呼び、私自身めちゃくちゃ笑いながらも感動を覚えていました。
マヂラブファンとしてはやはり2017年のトラウマがあったので、笑いながらも「よしウケてる、ウケてる」と俯瞰的な目線もあり。
その後も、ドカンドカンと大きな笑いを生み、お腹が痛くなるほど笑いました。結果はどうあれ、M-1会場でとにかく爆発しているマヂラブを体感したいと思っていたので、本当に嬉しかったです。
採点シーンで上沼恵美子「94」が表示された時は、マヂカルラブリーの2人と一緒に会場全体もうぉーーっと大きくうねりました。興奮して大きな拍手が鳴り止まず--皆、マヂラブ劇場の虜でした。今思うと、この時既に今日の主役がこの2人だと決まっていたのかもしれません。
7組目、オズワルド。
見取り図、おいでやすこが、マヂカルラブリーと力強い笑いが3組続いた後で、少し観客が笑い疲れしてしまっていたところはあったのかな。ウケてはいたのですが、体感として前3組ほどには感じませんでした。
荒れた漫才が続いた後でのオズワルドは悪くない順番だと思ったのですが、うーんなんというか無理やりテンションを上げているというか怒鳴りに行っているというか、オズワルドに期待していた空気感とは違った少し違っていたかなという感じです。
審査コメントでも審査員の意見が分かれましたが、私はどちらかというと松本さんの方に賛成で、オズワルドには去年の「それはボール食うやつの意見だな」のような、静かだけれど芯を食ったツッコミが好きだったので、今回はやりに行っているように感じてイマイチでした。
といっても爆発していた準決勝でもそこそこだったので、今回は単純に私が題材にハマれなかったのかもしれないですが・・・
脚本のセンスは申し分ないですし、M-1に合わせて色々と試行錯誤している最中だと思いますので、まだ全部出し切っていないというのは連続出場でもまだまだチャンスがあるということです。観客に不自然ではないと思わせる形でテンションを上げていければ更に良くなるのではないかなと。来年がまた楽しみなコンビです。
8組目、アキナ。
観ていた時は、うーん準決勝に比べると笑い少ないなーという程度でめっちゃ滑ったとは感じていなかったのでその後の点数の低さにも驚いたのですが、帰ってからテレビで見直したら確かに滑っていましたね。。
そういえば自分自身もあまり大きくは笑えずで、小笑いしていた時に山名さんと目が合ってしまったことを思い出しました。
何が準決勝とそんなに違ったんでしょう・・・一つ思ったのは、アキナとニューヨークの順番が逆だったら2組とももっと良い結果になったのではないかなと。
アキナは上手いしKOCなど見ていてもセンスもあるので、今回滑った一つだけでつまらない芸人のように判断されないでほしいなと思います。
9組目、錦鯉。
どうせならトリで見たかった錦鯉。私はパチンコのことはよく分からないですが、まさのりさんのキャラと動き、渡辺さんのツッコミで楽しく観ることが出来ました。
でもホテイソンと同じく、全国お披露目の一発目のネタではなかったのかもしれないですね。
「もうちょっとウケても良いのにな~」と松本さんが言っているのも聞こえました。
10組目、ウエストランド。
「小市民怒涛の叫び」-ウエストランドをよく表していて良いキャッチコピーですね。会場からも笑いが起こっていました。
さぁラストということで、観覧客もラスト笑おうという心持ちでしたが・・・うーん私の席からは2人が緊張している様子がありありと伝わってきました。甘噛みも多く、テンポが狂ってしまっていたような。
キラーフレーズの「いないよ?」「復讐だよ?」が思ったほど爆発を呼べなかったのが痛かったですね。。
点数も伸びずでしたが、審査員のコメントは悪いものではなく今後の伸びを期待する声が多かったですので、翌年に繋がるM-1になったのではないかと思います。
10組の漫才が終了。ここで最終決戦に進む3組がおいでやすこが、マヂカルラブリー、見取り図に決定しました。
今年は例年以上に多種多様というか、魑魅魍魎というか、、本当にいろーんな種類の漫才をお腹いっぱい見せてもらったので、心地よい満腹感に溢れていました。
観覧に行って感動したのは、出番コンビが決定するとスタッフが予め測っておいた各コンビの身長に合わせて、ピンマイクの高さを調節しに来ていたところです。
考えてみたら、M-1で見る漫才師は誰も出てきてから自分でピンマイクの調節をするなんてことはしていなかったな・・・他の賞レースでもそうで私が知らないだけなのかもしれませんが、寄席では当たり前のことでもM-1というこの舞台ではただ漫才だけに集中してもらいたいというM-1スタッフの心遣いを感じました。
このようにして、M-1グランプリという最高の舞台が作られていくのだと--。
最終決戦。見取り図から始まり、マヂカルラブリー、おいでやすこがと60秒のCMを挟んで次々に最高の漫才が繰り広げられます。
全組めちゃくちゃ面白くて、全組ウケていました。三者三様のスタイルで、自分たちの面白いをぶつけ合う殴り合い。どの漫才も強い。本当に誰が勝ってもおかしくない-そう思いました。
ただ私は、どうしても、やっぱりマヂカルラブリーのつり革ネタです。野田さんが電車に乗ってから4分間ずーっと笑いっぱなし笑かされっぱなしで・・・会場も異様な盛り上がりでした。要所要所で爆発する漫才はよくありますが、こんなにも笑いがずっと持続するという漫才はなかなか無いなと思います。
私は本当に笑い過ぎて腹筋を攣りました。野田さんがつり革に捕まらないせいです。
全組ウケていた中でも、やはりウケではマヂカルラブリーが一段飛び抜けていたと思います。自分もこの心地良い爆笑の渦の中に身を任せられて最高の気分でした。
ただ本当にどこが勝ってもおかしくない、レベルの高い大会でした。
しゃべくり漫才としての見取り図か、独自のスタイルでイチウケのマヂラブか、1stステージで大爆発を生んだおいでやすこがが逃げ切るか--
3組終わった時点でも全く予想が付かない状況でした。
審査員の方々は大変だったと思います。採点前のCM中、松本さんが「んーーーんーーー」って唸ったり、礼二さんがめちゃめちゃ険しい顔して考えていたのが印象深かったです。
結果発表前恒例のCM前ズッコケの茶番。
TVのオンエアでは少ししか映っていませんでしたが、皆がお決まりのズッコケをする中、野田さんはCMに入ってからもずっと中央線で揺れに耐え続けていました。
それを見て「こんなんすぐ倒れた俺らみっともないじゃないですか!」とツッコむ盛山さん。
結果発表前のドキドキする時間ですが、おいでやす小田さんが上戸彩さんに「いつもこんなんなんですかー?」と質問したり、選手たちは和気あいあいとしたCM中でした。
そしていよいよ決勝発表--。思わず祈っていました。
- オール巨人「見取り図」
- サンドウィッチマン・富澤「マヂカルラブリー」
- ナイツ・塙「見取り図」
- 立川志らく「マヂカルラブリー」
- 中川家・礼二「マヂカルラブリー」
- 松本人志「おいでやすこが」
- 上沼恵美子「おいでやすこが」
最初誰が優勝したのかすぐには把握でき。
3票、2票、2票・・・ということは?!・・マヂカルラブリー優勝?!?
ざわざわざわ-会場からも徐々にさざ波のように歓声が沸き起こっていきました。私も思わず声を上げてしまいました。
「優勝は、マヂカルラブリー!」
今田さんの声とともに紙吹雪が舞い、トロフィーがお2人に手渡されます。
信じられない気持ちです。興奮冷めやらず、何度も何度も力一杯の拍手を贈りました。
昨年もほぼデビュー時からずっと12年間応援してきたミルクボーイの優勝は夢のような心地でした。が、その時とはまた違った意味での驚きです。
ミルクボーイはずっとしゃべくりの面白いシステム漫才をやってきていたのが見つからなかっただけでしたので、どこかに引っ掛かれば必ず評価してもらえる時が来ると思っていました。
なのでやっと認められたという気持ちと、その評価が漫才の最高峰の大会でしてもらえたというのが嬉しくて嬉しくて夢のような気分でした。
今回のマヂカルラブリーは、10年前から面白いとは思っていたものの、M-1グランプリという大会でこの形の漫才がトップに立てるのだという驚きと、新たな漫才史の幕が開いたという歴史的瞬間に立ち会った興奮でした。
そういった意味では、今年の方がより信じられない気持ちだったかもしれません。
けれど本当に嬉しい嬉しい瞬間でした。その日一番ウケていた、とにかくおもしろいコンビが優勝して良かった。
漫才の型にこだわらず、新たな歴史の1ページを開いてくださった審査員の方々、そして素晴らしい戦いを繰り広げてくださった出場者の芸人の皆さんに感謝の思いでいっぱいです。
オンエア終了後、見取り図は2人とも男泣きしていました。けれども「ありがとうございました!」と誰よりも大きく客席に頭を下げてくださったリリーさんは素晴らしかったです。
舞台の上で称え合う芸人さんたち。マヂラブと同じ東京芸人が多かったので、皆さん悔しさはあるでしょうけれど嬉しそうに周りにかけよって祝福していました。
インディアンス田渕さんに至ってはチョケ過ぎて、最終野田さんに「チャンピオンやぞ!」といなされて「すみませ~んっ」と下がっていました。
おいでやすこがのお2人もやり切ったすがすがしい表情でお違えを称え合っていたのが微笑ましかったです。
特に感動したのは、最後上沼さんがマヂラブ2人に「ほんまにおめでとう~!」とにこやかに祝福していたところです。野田さんは周りの芸人に囲まれていて聞こえていたのか定かではなかったですが、村上さんが上沼さんの近くまで行き「ありがとうございます!」と深々とお辞儀をしていたのが印象的でした。
上沼さんもここ数年は叩かれたり精神的におつらいこともあったと思いますが、今回は憑き物が落ちたように晴れやかで、本当に嬉しそうにマヂカルラブリーを祝福してくれていました。やはりコメント力は抜群でしたし審査員を辞めてほしくはないですが、本人の意を汲むことも良いのかもしれませんね。
外に出てからも興奮冷めやらず、現場で仲良くなったお笑いを愛し者たちと記念撮影を行ってから解散しました。
本当に、ファンにとっても一生一度の夢舞台。最高の戦いを観ることができ、感無量でした。これからのマヂカルラブリーはじめ、皆さんの活躍が楽しみです!!
もう3週間が経過しましたが、まだまだM-1熱は冷めません。しばらくはまだ、この余韻を引きずって、日々楽しんで過ごしていこうと思います。。
みをこ
M-1グランプリ2019〜史上最高681点の衝撃〜 [ ミルクボーイ ]